自動車の免許取得に必要な教習所を選ぶ際、指定の学校か届出の学校かを選ぶことで料金に違いがあります。一見すると費用が安い届出の学校のほうがお得にも思えますが、メリットだけでなくデメリットもありますので注意が必要です。そこで指定と届出の自動車学校の違いと、料金の違いについて詳しくご紹介します。
指定の自動車学校とは
指定自動車学校は、公安委員会の定めた基準に適合している自動車教習所のことです。公安委員会は3つの基準を設けており、それに適合しないと公認のマークを表示することができません。
公安委員会の定める3つの基準
公安委員会による基準は、人的、物的、運営の3つがあります。資格を持っている指導員(教習指導員)が配置されていること、コースの敷地面積が基準を満たした上で、コースの種類や形状、構造が法令に定められた基準に適合していること、法令に定められた教習方法や教習時間の基準に適合していることなどが必要です。
指定自動車学校で卒業した場合は実技試験が免除される
指定自動車学校を卒業した場合、運転免許試験場で実技試験が免除されます。実技試験は当日の一回勝負となるため、教習所で練習していても失敗することが多い試験です。それが免除になるだけでも大きなメリットです。もし本免学科試験に落ちてしまった場合は、再受験しなければ免許の取得はできません。お金はかかりますが再試験は可能です。ただし教習所を卒業したという証明は1年しか有効ではありませんので、1年を過ぎてしまった場合は教習所を1からやり直すことになります。
指定自動車学校の費用は高め
指定自動車学校では、教習にかかる時間が法令で定められています。そのためトータルでかかる費用は高くなってしまいます。仮免許が取得できなかった場合や、卒業検定に落ちてしまった場合などは、教習を再度受けなければならないためその分費用がかかってしまいます。
理解していても決まった時間のカリキュラムをこなす必要がある
指定自動車学校では、カリキュラムや教習の時間が決まっているため、学科が理解できていても最後まで教習は受けなければなりません。また技能教習も決まった時間をクリアしないといけないため、十分に運転できる技能を身につけていても先に進めないといったことがあり時間がもったいないと思えることもあります。
届出の自動車学校とは
届出の自動車学校は、公安員会の指定は受けていませんが自動車学校としての届出はしているため、法的には認められている自動車学校です。
届出の自動車学校では教習の時間に決まりがない
届出の自動車学校の場合、仮免許や本免許のための学科や技能教習で必要とされる時間が決まっていません。そのため学科が理解でき、試験がクリアできれば問題なく、技能的にも試験がクリアできれば短期間であっても問題なく取得が可能です。そのため早い人であれば2週間程度で自動車学校を卒業する人もいます。
届出の自動車学校では自分のペースで教習を受けられる
指定自動車学校では、日祝日が休みだったり、夜遅くまで開いていないといったことがありますが、届出の自動車学校の場合は日祝日も開いていたり、夜遅い時間でも対応しているので自分のペースで教習が受けられるメリットがあります。
免許取得には学科と実技試験を受ける必要がある
届出の自動車学校の場合は、指定自動車学校と違い、運転免許試験場での実技試験が免除されません。そのため当日練習したことのない運転免許試験場のコースで試験を受けなければならず、失敗してしまうこともあります。そのため教習所の費用は安く済んだのに運転免許試験場での試験での費用が高くついてしまったということもあります。
自分に合った教習所であれば指定でも届出でも問題ない
運転免許を取る場合には、指定でも届出でもどちらでも問題はありません。費用の面からいえば届出の自動車学校のほうがお得ですが、実技試験が免除されるメリットを取って指定自動車学校を選ぶなど、評判なども参考にしつつ自分に合う自動車学校を選ぶようにしましょう。